ネットの「炎上」について(2)
はじめに
今回は、「炎上」についての2回目のコラムです。
1回目のコラムでは、「炎上とは何か?」というテーマで、具体例を交えて解説しました。
2回目のテーマは、「炎上の過程」について取り上げます。
SNSが普及した今日では、炎上が発生することは珍しくありません。
しかし、普段目にした時にはすでに情報が広く拡散し、多数の批判が寄せられている、といった状況であることがほとんどではないでしょうか。
そこで今回は、炎上がどのように発生するのか、その過程についてお伝えします。
前回のコラムをまだ読んでいない方は、ぜひそちらも併せてお読みください。
炎上についてのコラム全3回のご案内
1回目:炎上とは何か?
2回目:炎上の過程
3回目:炎上の対策(予防・対応)
炎上の過程
1回目のコラムで、ワイズワークスプロジェクトでは炎上を「ある対象(人や企業など)に対してネガティブな情報がWEB上で短時間に多数投稿される状態」と定義していることをお伝えしました。
しかし、問題となる投稿が行われたからといって、すぐにこの状態に至るわけではありません。
Twitterや5ちゃんねるなどで行われた投稿は、
①認知
②反感
③拡散
という3つのフェーズを繰り返すことで炎上へと発展していきます。
各フェーズについて詳しく見ていきましょう。
①認知
文字通り、人々が投稿を目にし、内容を認知する段階です。
投稿が行われた時のトレンドや、投稿アカウントのフォロワー数によって認知される規模や早さは異なってきます。
②反感
認知した投稿に不適切な内容が含まれていた場合、人は不快感や憤りを覚えます。すると、批判的なコメントを行う人や、投稿を拡散する人も現れます。
数人がコメントや拡散を行った程度では、大きな話題になりません。しかし、拡散された投稿が他の人にも認知され、反感を買い、更に拡散される、という流れが繰り返されることで、より多くの人の反感を招くこととなります。
なお、以下に挙げるような話題は特に反感を買いやすいとされています。
・企業や従業員による違法行為
・情報漏洩やプライバシーの侵害
・政治観のおしつけ、勝手な解釈
・性的表現
・戦争関連 など
③拡散
そうして多くの人から反感を買った投稿は、まとめサイトをはじめとする他媒体でも取り上げられ、これまで以上に多くの人の認知、反感につながっていきます。話題性の高さによっては、Webニュースやマスメディアで報道されるケースも少なくありません。
認知率の高い媒体で取り上げられることで、短時間に何百、あるいは何千といった規模で批判的な声が寄せられるようになります
以上が炎上の発生する過程になります。
まとめ
最近ではインフルエンサーと呼ばれる影響力の強い人物が投稿・拡散を行うことも多く、短時間に広く情報が認知されるケースもよく見られ、火種となる投稿が行われてから、拡散フェーズに達するまでの間隔は劇的に短くなっています。
そのため、「炎上するかもしれない」と気付いた時には、既に情報のコントロールが極めて難しい状態になっている場合がほとんどでしょう。
そこから慌てて対処しようとした結果、火に油を注ぐ結果となった事例も少なくありません。
炎上は、火種となりそうなリスクを監視しておく、といった予防策はもちろんのこと、発生した場合の対応についても事前に考えておくことが大切です。
そこで次回は、炎上の予防方法や、直面した時の対応について取り上げます。
どうぞよろしくお願いいたします!
ワイズワークスプロジェクトは、リスク情報のモニタリングをはじめとして、炎上が発生した際の対応についてもアドバイスいたします。